住宅建築士のホンネ

住宅の現場監督、営業を経験した私のブログです。営業、監督、お施主様の視点に沿って書き、それぞれの方の励みになればと思います。

住宅建築士のホンネ②_監督ってどんな人?

 

現場監督ってどんな人?

どういう人達がいるの?

 

そんなことを思ったことはございませんでしょうか?

 

ズバリ!一言で言うなら監督は・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

(長考中)

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・汚い人

いや、体が汚いとか不潔って意味ではありませんよ。

それに、汚いのは私みたいな人種の監督だけだと思います。

 

 

 

 

 

~ 監督のタイプは大きくわけて2つ ~

経験上ですが、監督のタイプは大きく分けて2つだと思います。

これは主に現場管理の仕方、職人さんとの接し方で2分されていきます。

 

 

 

1つ目のタイプは恐怖政治型監督

 

字面からしてヤバそうですが、恐れず聞いてください。

 

このタイプの人は、現場で細かい指摘をする人です。

少しのミスも許さず、妥協は一切しない。

ミスをした者には厳しく、時には怒る。

こうすることで、職人さんたちは「この人の現場ではミスしないように注意しよう」と思うようになり、結果的には品質向上につながっていきます。

 

このタイプの人で最も理想的なのは、良し悪しの基準がハッキリしていて、なおかつブレないことだと思います。

 

 

2つ目はドーピング型監督

 

大丈夫です。ヤバいクスリは使用しておりません。

ちなみに私はこのタイプです。

 

このタイプの人は、とにかく職人さんを褒めて、おだてて、乗せて、ヨイショして、持ち上げて・・・・・職人さんの能力を引き上げるタイプです。

たまには雑談し、ミスはそこまで怒らず、意見を聞いて、とにかく職人さんが気持ちよくなるように仕事をさせて、品質の向上へつなげていきます。

 

このタイプの人で最も理想的な人は、具体的な褒め方が出来、「あなたの意見を聞いて、これをしましたよ」というようなご褒美を挙げられることだと思います。

 

この2つの監督のどちらが良いか。

方向性が違うので比べることがナンセンスなのかもしれませんが、どちらかというと恐怖政治型のほうが人として良いと私は思っております。

 

 

 

 

~監督が「汚い」ってなんで?~

 監督の仕事を大雑把に言うと、「管理」「調整」「指示」「指導」「指摘」の5つだと思っております。

その中の「指摘」ですが、これが前述の2つのテーマに関連してきます。

 

「指摘」とは、工事の誤りを見つけることです。

これがかなり重要で、誤りをそのままにしておくと建物の欠陥や事故に繋がっていき、最終的には人命に関わります。

そのため、監督は現場で常に他人のミスを見つけるといったことをしております。

 

おわかりでしょうか?

ドーピング型の監督は、職人さんへ「あなたの技術はすごいですね」と言ってるくせに裏ではその人の粗さがしをしているのです。

 

また、私の場合はそれに加えて更にたちが悪いです。

よくある現場での会話で、ある職人さんが「○○さんの仕事は良くない」といった愚痴をこぼしているとしましょう。

私はまずそれを聞いたら、否定はせずに聞きます。

非道い時はのっかります。

職人さんのガス抜きのための行為なのですが、今度はその〇〇さんの前に行くと、何事もなかったかのように仲良く喋りだします。

まさに、八方美人(顔は美人ではないけど)

いつか美人薄命になりそうで怖いです。

 

 

 

 

~監督は嫌な人です。でも・・・~

人の粗を探すは、怒るは、嘘を付くは、一緒に他人を貶すは(それは私だけ?)・・・

ここまで話すと監督の良い所が一個もなくて、「なんであなたはそんな仕事してるの?」と言われてもおかしくないかもしれません。

 

色々な理由があるかと思いますが、私の場合は「凄い仕事を見られる」からです。

基礎屋さん、大工さん、水道屋さん、電気屋さん、鳶職さん、クロス屋さん・・・

現場監督は、それぞれのプロが一箇所に集まって一つの物を作っていく過程を特等席で見れる仕事です。

 

せっかく特等席で見られるなら、応援したいじゃないですか。

 

だから、私は職人さんが全力を出せる環境を作ることが、監督の一番の仕事だと思ってます。

 

住宅建築士のホンネ①_自己紹介と監督のホンネ

こんにちは。

私の名前はarchi(アーキ)と申します。

名前の由来は、architecture(建築士)を半分にして、半人前の建築士という意味からとっています。

仕事は名前とタイトルのとおり、住宅の建築士

主に新築とリフォームの現場監督と営業に携わってきました。

 

この度、自分の浅い経験でも誰かのためにならないかなと思い、このブログを書くことにしました。

これから住宅の購入、新築を考えている人、リフォームを考えている人、同じ職種の方々の励みになれるようがんばりますのでよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

・・・・・・・さて、真面目な話はここまでで

ここからは、私が仕事をしてきて感じたことをぶっちゃけて書きたいと思います。

今回は主に監督の方々にとってはあるあるネタになるかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

~「一所懸命頑張ります!!」・・・そんな訳ないでしょ!~

お施主様やこれから家を建てる人にとってはビックリかと思うようなタイトルですが、これはホントのことです。

もしも、「私はあなたの家を建てるために、一所懸命頑張ります!」という監督がいるとします。

この人はほぼ間違いなく嘘をついています。

 

 どういうことかと言いますと、古今東西いろいろなハウスメーカー工務店がありますが、どこの監督も大抵は数棟掛け持ちして現場を管理しています。

その結果、「あなたの家だけ(一所)専任で管理します(懸命)」は無理な話なのです。

実際私も同時に7~10棟、多いときで13棟管理している時がありました。

 

それは、大きいハウスメーカーだからだって?

そんな事はありません。

個人経営の工務店でも、新築数棟がないにせよ同時に何件かのリフォーム工事を管理していることでしょう。

 

どうしてこんな事が起きるかというと、住宅が安いから。

1棟約1500~2000万円を安いというのもおかしな話ですが、実際安いです。

お施主様の皆さん。住宅1棟建てられれば会社に結構な利益が出ると思ったら大間違いです。

 

例えば、監督2人営業1人設計士1人事務員1人(合計5人)の工務店が2000万円の家を監督1人1棟ずつ建てるとします。

そして、契約~竣工まで6ヶ月とします。

 

2000万円の家だと、大体の粗利は500万円。2棟で1000万円となるでしょう。

6ヶ月掛けて得た1000万円ですが、そこから社員の給料、光熱費、事務所の家賃、その他諸経費を引いていくと・・・

 

50万円無いかもしれないのではないでしょうか?

テキトウな計算とはいえ、6ヶ月で50万の純利益って割に合わないような 気がします。。。

と言うわけで、1人1棟の工事では利益が出ないということで、皆何かしらの工事を掛け持ちしていることです。

 

よく、新築中に「監督が週1回しか現場に来ない」とか「施主は毎日現場によるのに、監督は来ない」といったクレームを耳にします。

私が、その類で一番心に残ったのは「監督をウチの家の専任にしろ。他の仕事はするな」でした。

(じゃあ、あんたの1700万円って契約金額を7000万円にしたら専任にしてやるよ、と私は心の中で言ってました笑)

ちなみに、建築一式工事が7000万円以上になると専任で主任技術者、監理技術者が現場につかなけれいけません。(住宅だとほぼ無い話ですが)

 

 

 

とはいえ、お施主様の意見ももっともです。

高い金額を出して建てているお住まい。

これから何十年と住むであろう家をテキトウに建てられるのは嫌なことです。

 

ここで、お施主様に信じていただきたいことは、監督は1週間に1回しか現場に来ていなくてもちゃんと管理していることです。

監督たちは、わずか1~2時間で重要な点と不備がないかの確認できる目を持っています。

また、できる監督であればあるほど、事前に職人さんたちに要点を指示しており、現場に行かなくとも完璧にこなす スキルを身に着けております。

逆に、現場に行く回数が多い監督ほど不安材料が多い可能性もございます。

 

これは私の意見ですが、着工~完工までの約3ヶ月で、現場へ行く理想的な回数は15~20回だと思っております。

 

一生に一度のお家造り。

不安なことはたくさんあると思いますが、少しだけで良いので監督を信じてみるのもいかがでしょうか?

 

 

 

 

次回・・・監督ってどんな人?